会社は社会のものだった!

再び、岩井克人氏の「会社は誰のものか」(平凡社)を参考に考えをまとめていきたい。
今回はこの本のタイトルにも表されている問いの答えとも言える部分。
結論を端的にいうと「会社は社会のもの」だという。

「企業市民」とはなんであるのかをここしばらく考えていたが、その解答のひとつがここにあった。
法人企業とは「モノ」である会社を法律上「ヒト」と定義するものである。(法人←→自然人)
(※社会にとってなんらかの価値をもつから、社会にヒトとして認められている)
企業が「ヒト」である。社会を構成する市民であるということ。
では市民社会とはなんなのか。
→「資本主義経済(自己の利益の追求にはげむ個人を前提)にも、国家システム(法律によって課された義務に従う個人を前提)にも還元できない人間と人間の関係のあり方」。
つまり、自己利益でも法律によって課された義務以外の何かを追求するのが「法人企業」なのだ。
その何かというのが「社会的責任」である、とこの本では記されている。

また、よくCSRは企業のブランドイメージ向上の為にもお得だ、のように言われるがそれは間違いだということも記されている。ブランド戦略としてのCSRは長期的に利益を最大化させようというものであるから、「株主主権論」に合致してしまうものであるから間違い、CSRの意味ではないという。
CSRメセナ)をブランドイメージ向上を目的にしている企業は多くある現状、、と思う。たしかにCSRの目的をブランドイメージ向上、長期的な利益の最大化とするのは間違っていると思う。ただ、CSRによって結果的に付加価値として?ブランドイメージ向上をはかるのは必ずしも間違いではないのではないだろうか。企業のイメージがアップすることは、株主だけでなく、従業員、その家族、などにもプラスであるはずだし。
CSRの意義や目的を明らかにするだけでも随分時間がかかりそうだ。。先生のご意見も伺いたいです。