(4)2003年11月16日 朝刊 1経済 007 00456文字

温室効果ガス排出増減を金額換算 環境税見据え、企業で導入広がる
 温室効果ガス排出の増減を数量から分かりやすい金額に置き換えて公表する企業が出始めている。排出権取引制度や環境税の導入が日本でも検討されるなど、 将来には二酸化炭素(CO2)を始めとする温室効果ガスの排出増が、費用増につながる可能性が出てきたことが背景にある。もっとも、「情報開示で投資家の 信頼度は上がる」(ソニー)といった声は今のところ少数派で、効果の試算根拠もばらばらだ。
 各企業とも財務への直接的な影響としてではなく、「環境への負荷軽減による推定的効果」などと表現している。
 ソニーは7月に公表したCSR(企業の社会的責任)リポートで、02年度に工場や自社製品からのCO2排出が前年度比で約46万トン増えたと推計。効果はマイナス3億2400万円とした。
 田辺製薬は、02年度の排出量が前年度より2100トン増え、効果はマイナス86万1千円と初めて公表した。
 財団法人の地球環境戦略研究機関が昨年度、東証1部に上場する280社の環境報告書を調べたところ13社が金額換算しており、今年度はさらに増えたとみられる。