8月4日ブルージュへ。クノッカへ。

ホテルでタクシーを予約し、ブリュッセルmidi駅へ。セントラルよりブルージュに行くには便利だと聞いたので。第一いくらセントラルが近いと言えど、スーツケースを移動させるのは辛すぎるが、タクシーで行ってもらうには近すぎる。やってきたタクシーは普通の大きさ故、荷物が入りきる筈も無かった。どうするんだろうと思っていたら、トランク開きっぱなしで出発した。あらまぁ大胆。
ブルージュの駅前には、彼方此方を向いた石でできた椅子が一列に並んでいた。オブジェ兼ベンチ?一度荷物を置く為に、ホテルへ向かった。今度のホテルはわりと外れに在る。一方通行の為、かなりグルグルと道をまわりホテルについた。今度のホテルはB&B的な家庭的なところだと記されていた。道路に面した窓のすべてにピンク色の可愛らしい花が飾られていて本当に可愛らしいところだった。ヨーロッパは殆どこんな感じなのだろうが、建物は古く、どれも隙間無くひしめき合って建っており、窓際を美しく飾っている。この統一感が町の美しさを盛り立てているのであろう。ホテルの内部は狭く、階段も急で狭いのでスーツケースをもってあがるのが大変だった。何せ最上階。次の日は2つ下の階に降りなければならないということだ。二人部屋に無理矢理孫三人が入った。スーツケースを広げる余裕もない。譲り合い。ベッドは通常とは違う向きで3人が並んで寝ることとなる。
荷物も無事運び終わり、KNOKKEに向かった。本当の発音は分からないが誰かが「クノッカ」だというのでここではそういう。ここは北海が臨めるリゾート地らしい。駅についたところ、どこに海があるのか分からなかった。しばらくショッピング街がひたすら真っ直ぐ続いていた。近くのパン屋で聞いてみると、歩いてもうすぐだというので引き続き歩いた。しかし、ベルギーは犬をつれている人が非常に多い。わんわん王国だ。犬が大好きなので私にとって天国だ。旅行直前に13年間友情を育んできた大切な愛犬を失ったところなので、幾度も目の前を通るワンコの姿に、そっと亡き我が友の姿を重ね合わせてみたりもした。そして触りたくて仕方が無かった。日本の自宅からは随分と遠くに居るので、家に帰ったら今までの様にわんわんと駆け寄ってきてくれるようなイメージも併せ持っていたので逆に旅行に来ていてよかったかもしれない。そんな風にセンチメンタルになりながらも、遂に海が見えた。この日は運良く美しい空。夏と言えども多少肌寒い。泳いでいる人よりも、焼いている人の方が圧倒的に多かった。ビーチではしゃぐ前に、ビーチに面した店で昼食をとった。英語のメニューを置いてない店が殆どであったので、出来るだけ安全にランチをするため、ランチセットのある店を選んだ。モデルのような男性が出迎えてくれた。従姉妹がチーズが嫌いだの色々あったのでセットと言えどもオーダーに手こずった。結局私はチーズのクロケット、従姉妹らはトマトのスープ、それに舌平目のムニエルがついているセットにした。祖母はステーキとビールを頼んでいた。ヨーロッパでは時間がゆっくりと流れる。とはいえ私たちはせっかちな日本人。ましてや関西人。なかなかランチがこない。待ちきれない。店の彼方此方から、思い切り鼻をかむ音が響き渡る。ここでは一般的なこと。けれど私たちは日本人。どうしても違和感があった。
ビーチに戻り、裸足になって海の水に足をつけた。ひんやりと冷たい。砂で何かを創作している少年に手を振ったら、手を振かえしてくれた。可愛い。ひとしきり写真を撮ったり足で波を感じたりしたら、祖母も待ちくたびれていたので駅へ戻った。帰りしなに、すれ違う人すれ違う人がアイスを食べていた。その割合は、犬を連れている人と同じくらい。そのアイスは「AUSTRALIAN」という店のもの。何軒か見かけた。味はなんとなく「マンゴー」にした。「一番そのまま(英語が)通じるやつにしたね」と言われてしまったけど。非常に濃厚で。THEマンゴーといった風格だった。そしてブルージュに戻り、体も胃も疲れた私たちは再び部屋で簡易食品を晩ご飯とした。