2005.8.27(土)神戸学校 安藤忠雄

以下、フライヤーより引用。

「発見」や「感動」をコレクションする。それが神戸学校。
神戸学校とは…各分野のプロフェッショナルに会い、月1回感動を得ていただく機会。神戸学校は毎月1回のあなたへのプレゼント。神戸学校は、ゲストからのメッセージライブであり、お客さまとのコラボレーションライブです!

ゲスト/安藤忠雄さん(建築家)
テーマ/「新しい未来に向かって」

神戸学校は今回で、100回目を迎えます。記念すべきこの回のゲストに建築家の安藤忠雄さんをお招きいたします。安藤忠雄さんにとっても、神戸の震災がひとつの「SWITCHI!」の機会となったことはその後のご活躍により私たちもよく知るところです。神戸学校100回目の記念となる8月には、神戸の震災をきっかけに、安藤さんの中で起こった変化と今、について語っていただき、次なるパラダイムへの変換と未来への姿をみなさま、おひとりおひとりの中にイメージしていただける、そんな会にしてまいりたいと思います。独学で、建築を学ばれ、現在は広く、国レベルのプロジェクトに携わりながら、国際的にも活躍をされている安藤さん。ご自身も、まさに「SWITCHI!」の連続の中に生きてこられた方です。安藤さんご自身の人生哲学にも触れさせていただきながら私たちの人生と社会の繋がりについて、夢をふくらませてみたいと思います。どうぞ楽しみに足をお運びください。

日時/2005年8月27日(土)13:30〜16:00(開場13:00)
会場/エスパスフェリシモホール 神戸市須磨区弥栄台2-7
参加料/一般\1200 学生\1000 神戸学校の参加料は全額、「あしなが育英会」の神戸レインボーハウスの運営支援に活用されます。
定員/400名(定員になり次第しめ切ります)
後援/神戸市 株式会社神戸新聞社 阪神淡路震災復興支援10年委員会
アクセス方法/神戸市営地下鉄 総合運動公園駅下車すぐ(三宮より20分)

専門学校を早退し、母を連れて参加。

企業/FELISSIMO
「生活者の日常風景のデザインを事業ドメインとし、『はいせんす絵本』や『サンタブック』などのカタログによるダイレクトマーケティングを事業主体としています。生活そのものがフェリシモにとっての事業機会であり、生活者ひとりひとりの「しあわせ」を商品やサービスなどの事業活動を通じて提案しています。また、活動の場を日本国内だけでなく世界に求め、自分たちの哲学を様々な事業としてカタチにしています。」とHPで記している様に、この企業理念に沿った社会貢献、文化支援活動を行っている。
他にも
フェリシモ文学賞」…生活者ひとりひとりの表現していく機会を支援するという立場から、1997年創設。
「フェリシ生活雑貨大賞」…生活者の視点から雑貨を提案。実際に商品化することが可能。
「ハッピートイズプロジェクト」…余った布からぬいぐるみを。世界のこどもたちに届ける。
「LOVE&PEACE PRPJECT」…2001,9,11事件を受けて。Tシャツでメッセージ発信、募金。
「デザイン21」…国連50周年記念事業のひとつとして、1995年、ユネスコ本部とフェリシモの共催でスタートした国際デザインコンペティション
「KOBE HYOGO2005」…神戸・兵庫から、夢の力で未来を創る生活文化創造プロジェクト。
「チャレンジドクリエイティブプロジェクト」…すべての人が持てる力を発揮できるユニバーサル社会をめざして。
など、一本筋の通った企業独自のノウハウを活かした社会貢献活動を実施しているように思える。

アクセス/三宮から地下鉄で20分程。総合運動公園下車すぐ。すぐに見えるので迷うことはない。地下鉄の切符代が高いので困るくらい。

参加料/上記記載。2人で申し込んだので割引でひとり900円。

会場/エスパスフェリシモ 白を基調とした清潔感のある建物。スロープを回りながらあるいているといつの間にか上方の階にあがっている作り。螺旋状のスロープの真っ白な壁には今まで神戸学校に出演した人の書いたメッセージや絵やらが額に入れて飾られている。
(トイレ)清潔
(会場)400名程が入る。普段はわからないが、100回目、安藤忠雄氏だったこともあり満員だったよう。ゲストの後ろの上方にはスクリーンがある。安藤氏はスライドを利用しながら講演。椅子は見た目が真っ白でおしゃれで美しかったが、長時間すわるには座り心地はあまりよくなかった。椅子の配置が悪く、後方に座るとゲストの顔がほとんど見えない状態だった。前後をずらして配置することで改善されるはず。

スタッフ/対応がよく好感を持てた。

構成/司会者がスライドによる今まで99回のゲストの紹介のあと安藤氏の登場。
講演がおよそ75分、質疑応答が20分程度。その後書籍購入者対象のサイン会。

内容/テーマは「新しい未来に向かって」であったが、きちんとそれに沿うわけではなく、今までされた仕事のことなど、スライドを利用しておもしろおかしくお話していただけた。航空写真の東京と大阪の比較は面白かった。統一感のある、均質的なサラリーマン社会の東京、個性丸出しの他との調和を無視した大阪の建物たち。安藤氏はそれを「絶望的」と表現していた。「絶望的」は他にも大阪を表現する際に何度か用いていたが、愛情に満ちたものだった。専門的な話よりも、どんな人にも通じる、熱い気持ちをかき立てるメッセージが強くこめられていたように思う。今では当たり前のように唱えられている、屋上緑化についても1969年当時に「大阪駅前プロジェクト」として訴えていたが全く相手にされなかったそう。時代に先駆けてやることの難しさと大切さを教えていただいた。また、今の若者は勉強しようという意識が低い、そういったことが「文化度」を下げているのだと何度も繰り返していた。本を読む、映画を見る、とくに美術館や博物館へ行くことを強く勧めていらっしゃった。

企画に対する感想/メセナアワード2004文化庁長官賞を受賞している。それによってこの企画を知った。ゲストは多彩な顔ぶれ。分野も多岐にわたる。話題性なんかによる集客に走ること無く、質の高い内容であると思う。私がこの企業の社会貢献活動に好感を抱くことが出来るのは、企業理念がしっかりしており、その理念に従った一本筋の通った活動を展開しているからだ。自分自身の参加によって自分にカタチのない何かを得られる上に、参加料はあしなが育英会に活用されていることから、二重に良い仕組み。