ベネッセアートサイト直島(2)

mome2005-11-30

ここで、ベネッセが直島でアートプロジェクトを展開させようと思った経緯を記す。
ベネッセとはラテン語の「bene=よく」「esse=生きる」を組み合わせた言葉。
「よく生きるとはどういうことか」…アートとビジネス、向いている方角は同じなのかも…↓(本より引用)

企業メセナ協議会編著「いま、地域メセナがおもしろい」ダイヤモンド社(2005)p146,147
岡山に本社を構えるベネッセコーポレーションと直島のかかわりは、1987年に端を発する。創業社長、福武武彦氏の跡を継いだ福武總一郎会長が、先代の夢「子どもたちのために夢のある島をつくりたい」を引き継ごうとしていたことと、直島の南側一帯を教育的・文化的エリアとして整備したいと考えていた当時の直島町長との思いが合致し、直島に置ける壮大なプロジェクトはスタートした。
第一歩は、南側の一角に子どもたちのための国際キャンプ場を開設することだったが、これを機に国内外の人々から「直島の自然環境のすばらしさ」をたたえる声を数多く耳にした福武会長は、キャンプ場の昨日を残しつつ、世界に誇れる直島の自然の中に、アート作品、とりわけメッセージ性の強い現代アートを置きたいと考える様になったと言う。「なぜ直島でアートなのか」について、福武会長は次のように語る。
現代アートは、現代社会が持つさまざまな問題、課題、矛盾をアーティストが感じ取り、ひとうひとつ思いを込めて、それらを目に見えるかたちにしたものだと思います。そのメッセージを顕在化させるためには、大都会ではなく、直島のような自然と歴史のある場所に置くべきだと思ったのです」

全部紹介したいくらい。気になる人は本を読んで!

☆つつじ荘前の海☆
独り、朝日を浴びに、海辺を歩く。同じく独りであるく女性。朝一番の空気が清々しくて気分がいい。
昨日動き回った疲れも感じず、楽しかった思い出を噛み締め、始まる今日を期待して海を見る。

☆宮ノ浦港☆
一足先に帰宅する友人をお見送り。船が出る。寂しくなる。

☆ベネッセハウスに向けて☆
再びものすごい坂を自転車でのぼる。途中、地中美術館の前に。記念撮影をしようとすると、地元のおばちゃんとおじちゃん3人が通る。「昨日山本うどんにいなかった?」と、私たちは覚えていなかったがどうやら偶然に再会したらしい。「どっから来たの?」「○○の××やからよかったらあとでお茶しによって、ほんまに」と気さくに声をかけて下さった。直島の人のすばらしさに触れた、まず一回目。
一瞬道がわからず、地元の人に訊く。ランニング中のおじさんの足を止めてしまったが、快く教えてくださった。直島の人のすばらしさに触れた、2回目。
ベネッセハウスの前で、おそらく地元の方のボランティアだと思われるおじさんが気さくに声を掛けてくださった。"こんなとこまでママチャリでよう来たなぁ"、とか、"帰り雨降ったら車のせていってくれるようにおじさんええように(ベネッセハウスの人に)言うといたから"、とか。直島の人のすばらしさにまた触れた。そして思ったのは、直島の人がベネッセのこのプロジェクトに賛同し、誇りに思っているのではないか、ということ。このことは先ほど紹介した本にも書かれていたが、最初は地元の人も、疑心暗鬼で外部からきた企業がなんかやってる、、と思ってただろうが、10年コツコツ真面目にやったおかげで「敵ではない」とい認識してくれたのではないか、、、と。その転換期が家プロジェクトだったそう。地元の人も参加することで作品が完成し、地域のすばらしさを再認識できたのだろう、と。
ここでポイントなのが、人集めのためならば、別のことをやったほうがいいということ。アートでエンターテイメント、アミューズメントパークではできないし、アートがアートであるから、街並に品格を持たせ、自分たちが死んだ後も光を放ち続けるのだ、、と。直島のこのプロジェクトは、単なる「メセナ」「フフェイランソロピー」など文化の「支援」ではないというのは、来てみると本当に実感できる。

☆ベネッセハウス☆
宿泊しなくても、別館以外は見ることが出来る。
これも見なくてはわからないすばらしさ。
外に出て滑らかな曲線を描いた大きな白い石に寝転がり宙を見る「天秘」。雲の流れを感じる。私の横を赤いてんとう虫がはう。手に乗せると空に向かって飛び立った。見上げた空と、ガラスに映る空がちがったものに見える。寝転がると上から覗く人と目が合う。それもちょっと面白い。
私が思わず興奮した作品は、黄色と黒のボートが海岸に描かれた海の絵。その前には絵の中と同じ黄色と黒のボートが置かれている。それだけでも面白いが、その作品を背中にするとガラス張りの窓から、絵と全く同じ風景が伺える。遠目に見える本物の海辺に、同じ黄色と黒のボートがある。学芸員(というのかしら?)の方に伺うと「遊び心です」と言っていて、もっと好きになった。
多数のウルトラマンがバンザイして繋がっている作品、かなり元気になった。元気になったーー!!
ベネッセハウスではヤヨイのカボチャのストラップを購入。普段携帯には何も付けない方が好きだけれど、直島の思い出は傍に置いておきたかったから。ヤヨイのカボチャなんて随分お洒落だし。

☆カフェまるや☆
ここもお勧めときいていたカフェ。とってもお洒落。
豚の角煮丼を食べ、デザートに白ごまプリンとカプチーノを。カプチーノの泡がハートになっている。地中美術館にあった真ん中の石がひとつハートに見えたことを思い出した。

☆帰宅☆
ついに帰宅。船に乗る。夕日が本当に、本当に美しかった。楽しかった思い出を噛み締めながら最後まで笑っていた。

気候も良好、メンバー最高、直島最高!今まで経験した中でもトップに躍り出そうな有意義な時間。
直島ありがとう。
ベネッセありがとう。